15(等分)平均律について
(等分とは対数的に等分とのことです)
15(等分)平均率のスケール(12等分平均率との比較)と周波数についての表
(基準値はピアノのまん中のA音(440Hz)と定め音程は基準値を0と定めるとした場合)
音程 |
周波数 |
セント数 |
12等分平均律と重なる音 |
0 | 440 | 0 | A |
1 | 460.809 | +80 | - |
2 | 482.603 | +160 | - |
3 | 505.427 | +240 | - |
4 | 529.331 | +320 | - |
5 | 554.365 | +400 | C# |
6 | 580.583 | +480 | - |
7 | 608.042 | +560 | - |
8 | 636.798 | +640 | - |
9 | 666.915 | +720 | - |
10 | 698.456 | +800 | F |
11 | 731.489 | +880 | - |
12 | 766.084 | +960 | - |
13 | 802.316 | +1040 | - |
14 | 840.261 | +1120 | - |
15 | 880 | +1200 | A |
Aだけでなく12等分平均率のC#と5番目の音(3度)、Fと10番目の音が同じ音程であることが分かる。
ハーモニックの柱、五度の和音が結構ズレているのが一番のネックである、理想値でいうと5度は660Hz,長3度は550HZであり、短3度は528Hzなのである、しかし12等分平均率であったとしてもズレていることには着目しなければいけない、ちなみに短3度は15等分の方が理想値にちかい。
音楽を12等分の平均率から脱却させ作成させようとすると、いろいろな方法があると思うのだが、その中でも可能性を感じさせるのが24、15の平均率だと思う、他にも31等分や53等分があるがそれは12等分平均律の「弱点の補填につながるだけ」の気がするので考えから外した、まず24は言わずもがな12の半音をさらに半分に細分化したものである、より滑らかな経過音や複雑な和音、セロニアス・モンクが弾こうとした正しいブルーノートが弾けるかも知れない、15はまだ分析中だがこれも期待できそうである。
ちなみに今やっているのは15の音列の中で10の音を選びだし音列(上の表でいうと0,2,3,5,6,8,9,11,12,14,の音)とすると少し濁るがメジャーコードが5つマイナーコードが5つできる、(普通の平均率のスケールでは7つの音にメジャーコードは3つ、マイナーコードは4つである)、そしてそれを転調したり、アウトなスケールをはさんだりいろいろ試したりしている。
その全く新しいスケールとそれで構成される和音により未知の新理論の音楽を製作するにあたって考えられるのは2つのアプローチだと思う、ひとつは1からの製作か、もうひとつは古典にヒントを求め古い感覚からにじりよるかである、(だが実際は前者も後者との混濁した作業であると思う)。あまり手探りの状況で前衛的なものを製作したとしても聞くものからみればただの変な音を並べた(それも聞き苦しい濁った音列)曲にしか聞こえないかも知れない。
ただ人類には有り難いことに新しい音楽を作り上げてきた先輩がいるので、彼らのアプローチを参考とするのが最善であり最良の方法に感じる。J.Sバッハもチャーリー・パーカーもマイルス・デイビスも一から作り上げたわけではなく、もとよりある土台の上の構造物の構築であったと思う。
他の事はまだ手探り中である、そのうち暗号法、素数なども音楽に取り入れたらと思う、「果てしないなぁ」と思うしだいである、しかしやってみて感じるのは逆に12等分音律の完成度の高さだったりする、例えばCのメジャーコードのC音とE音とG音は互いに3度4度5度のトライアングルを形成する、他の音律だと帯には長い、襷には短いようにバランスが悪くなり、結局うまくいかないのことが多いのである。
しかし音楽は自由なものであるはずで1小節づつ12等分平均律と15等分平均律を繰り返してみたり、上昇するスケールは12、下降は15や時間とともにスケールが定期的に変わり調性が崩壊していく音楽など、思いつくだけでも組み合わせだけでもたくさんあると思われる。
そんなことを考えていると、まだまだ音楽というのはいろんな道が残されているように感じるのだが…